そんなこと、いままでなかった。
わたしの意識の嵐は誰よりも激しく、わたしはおなかにぐっと力を入れて、信じられないくらいの嵐の中を生きてきたの。ひとりで生きてきたの。
「頭」と「心」。
わたしは、頭ばかりに振り回されて苦しんで生きてきた。
もう、ごまかせない。
意識が暴走しているだけ。ごまかしているだけ。
心を見つめなおす。
彼は、わたしを世界につなぎとめてくれている。しっかりと。
そんなわたしのことを、静かに見ていてくれる。
いままでの、どんな恋人よりもやさしく包む電話の向こうの声だった。
不思議な関係。
僕が手を離さない限り、大丈夫だから。
つないであげるから。・・・か。
今まで生きてきて、ここまできて、私自身に向き合わなければいけないときがきた。ほんとうに。
心の修行をして。意識の嵐に支配されない、うまく流していけるような。
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