仲良くしているほんとうにひとりかふたりくらい以外は、基本的に苦手。というか、心を開いて安心してあれこれしゃべることができない。
オトコがやりやすいのは、オンナみたいに自分を「女の目」で見ていないからだろう。（オカマちゃんだと、自分の女部分を女の目でちょっと見られているところもあるけど）
女の批判的な視線にさらされない安心感とか、ちょっと優しくしてくれるんじゃないかという期待感とか。女の武器を使えるとか。
そんなとこか。
イケメンの若い年下クンにメールしてしまいそう。さっきから何度も携帯を開いて閉じて。
でも、わたしは年上の「恋人」のことをずっと待ってる。くれない電話を（たまーにくれるけど）待ってる。帰ってくることのない彼を、誰かの元に帰っていく彼を、意味もなく待ってる。一ヶ月に一度会えるかあえないかの彼を待ってる。
浮気せず。
イケメンくんは、何も知らずにあたためてくれる。
職場の年上の男性も、何も言わないで抱きしめてくれる。
そんな異性なら、たぶん何人もいる。
その瞬間はどれほど癒されるか。
そしてまた、現実に戻される。
結局、ずっと誰とも寝てない。
彼は、恋愛してもいいんだよ、なんて勝手なことを言う。
わたしを自分に縛っておきながら。
そんなことを言わせるわたしも悪いのか。
彼がそんなことばを口にすることが哀しくて。
他のオトコに惚れっぽくふらふらしている分、ほんとうのわたしは、どうしても彼から離れられない場所まで来てしまっている。
どうする。どうする。
そして何年経ったろう。
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